ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《平穏無事/Peace and Quiet》/『極黒のブリュンヒルデ』第20話

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『なんだか・・・毎日がキャンプみたいね』
限られた時間、仮初めの平穏―――

 第一次鎮死剤奪取作戦、その後の仮初の平穏を脅かすミステリーじみた状況が解決し、推定第三章の開始である。次回、良太が再び薬を手に入れる為に動き出すその前に、ワンクッションを二週間ぶり。
 嗚呼、何話ぶりになるかな。言うぞ。言うぞ、言うぞ―――良太もげろッッ(挨拶)


  • 1週間後、千絵姉さんの誕生日を祝う小鳥の涙
  • 初公開、村上家の家族構成。息子の枕元に包丁ぶっ刺す母親
  • 良太の家庭教師バイト先。妹分がツンデレ良太もげるべし
  • ホース放水するカズミの笑顔に浄化されるわ……良太もげろ

 「友の命を、生きる――」。前回までの一件からまた易々と一週間が経過。“探知機”や相互感知が無いとはいえ、魔女狩りの捜索体制に疑問を感じずにはいれない。まあ流れとして、小鳥がこの節目を迎えぬまま薬の奪取作戦なり成分解析なりに取り掛かるのも旨くない気もするけども……研究所サイドも危機の兆しも全く無いので驚いた。いや待て、これは岡本倫ドSの罠だ……平穏を強調し、今後の作戦や予期される日常崩壊*1で落とすつもりに違いない―――あるいは日常を守る為に戦い、日常を原動力とする伏線か。そして研究所や「高千穂」、宇宙人が一枚岩でない可能性。
 次回こそは「お仕置き」されてるキカコと、事情聴取から新たな企てに入る研究所サイドが挿入されるに違いない……お仕置きが早く見たいわけでは、ナイデスヨ?

 ともあれ同日の朝、寝床にあった良太(家事担当)に早く朝飯作らせる為に枕に包丁刺す御仁が村上の御母堂(稼ぎ担当)。父親似なんですな……人相悪っ。一歳の頃に父と弟が事故死で二人暮し―――十年前のクロネコの件以外にも怪しい所が出てきたか。良太も事故に遭ったが「さすがに」記憶は残っていない……それは普通だが、そもそも完全記憶能力は普通じゃない。後天的に手に入れた/与えられたという疑惑は前々からあるが、十年前に得たのなら覚えてなくても不思議は無い。それ以前から持っていたのならクロネコの記憶が曖昧なのは記憶操作の可能性が濃厚となる。
 また事故死というのは嘘で、父と弟は生きていて……実はイチジク(旧姓)所長とか言わないだろうな。六分儀ゲンドウか。あるいは何かと外で忙しいらしい母の職場が「高千穂」の下部組織とか。灯台下暗しもいいとこだ。まあ今の所は妄想だが、アカネさん天才じゃね。あと話題に上ったナニガシ小五郎さんとやら。海外から招聘される程に何か優れた能力で、しかしそれを断る引き篭もり……鎮死剤の解析・生産に助力してくれる人物かもしれないが……何故男なのか()処女手荒川とは言わぬが……小五郎さんに眼鏡の助手はおらんかね(しつこい)

 他方、学校生活では女子を苦手にしていた筈の良太の貴重な一般女子成分。近所に住む、多分受験を控える中学生*2結花(きっか)。良太の家庭教師の生徒。これまで全く描写は出てないが、寧子が現れる以前からのバイトだと思われる。それにしても家事能力ありの上、近所働きで稼ぎがあるとか良太中々やるな……扶養家族なのに4人も扶養(食費のみでも?)を自弁する甲斐性。でももげろツインテール妹分にツンデレ片思いされるとかもう爆発するべき。「私ががんばって成績上げないと・・・あんた私の家庭教師クビになっちゃうじゃない」とか凶悪すぎんだろぉ。


 そしてそしてそして天文台、ホース放水で涼を取る魔法少女達の図。カズミちゃん様マジ天使やな……寧子や小鳥共々良太に胸見られるとかエロ小悪魔の面目躍如やな……良太もげるべし。
 良太が買ってきた食材で、皆で肉じゃがを作る。あまりに平和な時間だが、このままでは彼女達の寿命は残り一か月も無い―――鎮死剤一錠で大体一日半保つとして、一人につき二十錠未満×4人。第一次奪取作戦の際半分持ってったカズミが薬を分けた描写は無いが、計288錠がそこまで減ったのなら、そこそこ日にちが経っていたということか。
 そんな訳で前回の「必ず薬を手に入れる」発言への切実な期待があるわけだが……次回、どう動くやら。今度こそ、今度こそ例の端末からの情報取得が出来るか? それとも予想外の角度でアプローチ? かくも計り知れず、読み切れない物語であることよ。


『わーー!! おいしそう!!』
ドガガガガガガガガ
『あーーーー!!』
「「「「いただきまーす!!」」」」
『私の肉じゃががーーー!!』


 何処から用意したのか*3、夏仕様半袖白ゴスの佳奈のミキサーオチになるとは全く予想できなかった()
 「本当は動ける」という話が薬の消耗を早める為に我慢しているのなら、ある程度の薬を確保できたら、そして彼女が寧子にカミングアウト*4できたなら……一緒に普通に食べられる、かな? そんな日が、来ると良いなあ本当に……。

*1:第1話冒頭に見る世界崩壊に至る過程に限らず、逃亡生活への移行ないし日常の空間を侵食する惨劇とか。

*2:確証こそないが、もし彼女が現在中学3年生ならば、高校2年生の良太と来年同じ学校に通える可能性があり、その為に彼女が頑張っているという妄想が可能なため。実際のところ、小鳥に「新入部員が居なくて廃部は困る」というのと同程度に不確かな未来の話。この物語の一年後なんてどうなるかわからなさすぎる。

*3:ダム工事の為もう入れない廃村から、脱出時に持ち出していたのか、他の面子が買いに行ったのか?

*4:どうにも緊急時にやむを得ずの状況で露見してしまう、どころか、それを実行することが佳奈の死亡フラグの一つに思えてならんので恐々。