ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

『美大受験戦記 アリエネ』第40話――《結実/Fruition》


そして彼女の未来は―――

(第39話の感想はこちら)

 第40話「内乱の予感」(8月27日発売ビッグコミックスピリッツ掲載)。第3位が二人以上というのが物語とリアルの落とし所かと想像してはいたものの、結果そんなことはなかった。勝負に敗れ交際の話はナシになったものの、この2週間の成長を認められた有。しかし、それを我が事のように喜んでくれた彼女と、離ればなれになってしまうのか。講評も終えて、いよいよコンクール編クライマックス。


葛飾父『ダメだったらどうする? 自立できずに男に頼るのか?』
夢『……なら 今度のコンクールで3位以上の成績とったら……
美大受験を認めてくれる?』

『……ダメだったら一般大に行くんだな・・・』
『……わかんない・・・ でも・・・その時は・・・
今の予備校は辞める・・・ お父さんには頼らないよ』


 それがコンクール前の親娘のやりとり。しかし結果は……3位月岡弥生*1、4位戸谷隼人……葛飾夢は、5位だった。(夢さんが5位? うそだーーっ!! こんな・・・)と意識を飛ばしてなんと30分も毎度の妄想に現実逃避した有だが、俵屋先生により覚醒。そしてもしや最下位だったかという程の滅多打ち、かと思いきや。


俵屋「これ・・・お前のだな? ひっでぇな……」グサッ

「デッサンはろくでもねーし・・・色もまとまりねーし・・・
バランスは悪いし、汚ーし……モデルの手元なんか、ろくに描けてねーし・・・お前・・・」

「絵の世界なんかに進むの・・・諦めたらどうだ?」
有「イヤです。絶対に、諦めません・・・」

「……」ニッ
「よく言った、受賞決定ー」
「は?」
狩野「あんたはこの4日で二枚の油絵を描いたわけだけど・・・
二枚目には圧倒的に成長したわ・・・ しかも二枚目のこれは
しっかり「あんたの絵」になってる・・・」

「歌川有…… おめでとう・・・」
「あんたが「新人王」よ……」


 はたして此処に至る全てを注いだ成果を、毒舌で知られる講師陣*2に認められた。それでコンクールは終った……しかし彼ら彼女らの物語は、人生という冒険は続く。更なる新章の始まりへと―――


葛飾父「夢・・・帰るぞ、仕度しなさい・・・」

「よく頑張ったな・・・努力は認めるよ・・・ でも約束は約束だ・・・
道具をまとめてきなさい・・・」

(後日付記:41話感想はこちら

*1:惚れたはれたを指摘されて「別にっ」がやはりツンデレかわいい。

*2:その毒舌が初登場時とその次くらいまでしかはっきり描写されず、今回の講評こそ一番発揮されそうなものなのに、有が幽体離脱してた所為で殆んど省略された残念。