ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《ぶどう園の大魔術師/Magus of the Vineyard》


 『氷菓』第21話。あー、もしかして第4巻「遠まわりする雛」というのは短編集だったりするのか。次回が表題作で最終回ってことは。

 伊原の想いと福部の「こだわらないこと」への面倒臭くも切実な「こだわり」。二人の世界でやれ、てな話でもあり、千反田の大騒ぎが話をややこしくしたとも言える。昨年と同じ三人ならばこうはならなかった。ただ一年で福部は変化し折木も変化し、伊原は千反田と親友になり、彼らは四人だった。諸行は無常。折木の省エネへの執着と千反田の振り回しも傍から見ると似通ったものかもしれんね。

 それにしても、マジギレ寸前の千反田なんて代物が出てくるとは思わなんだ。「大罪を犯す」でも話題に出たが、確かに怒る時は怒ると証明された。なまら怖かった。あと降って沸いたような『バーチャロン』(ライデンとバイパー2が並ぶのは初代のみか)描写で『ハイスコアガール』的な郷愁を感じる。

 『もやしもんリターンズ』第10話。沢木直保、ついに他所様の事情を引っ掻き回す(後押しする)に至る。彼自身が何をしたというより、人と菌の間に仲立つ、みたいな按配ではあるが。はたして西野円の事情についてはどうなるやらね。

 男の意地張りだか強がりだかと、女の覚悟。龍太君もマリー父も周囲に本心を隠して四苦八苦。自分でそうすると決めても上手くいかない。期待されてもされなくても、自分で自分の心を苛んでしまう重圧。木になんか登らなくていい……だから、向き合って解放される時。“みんなでやんな”……だから、独りで悩まなくてもいい。
 お姫様の問題に一応ケリが着き、次回は蔵元一家か。そして黄金丘陵へと。