ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《突然の消失/Sudden Disappearance》/漫画『戦闘破壊学園ダンゲロス』第14話

―――繋いだ手。心通わせた、束の間。

 月刊ヤングマガジン掲載『戦闘破壊学園ダンゲロス』。第2巻からの直行の次、第14話である。先月もちと発刊が遅れたが、今回も第3水曜日。つくづく年末年始は面倒臭し。さてさて「次号、なんとっそこには信じられない光景が!!」との煽りの、答えは。


「あ ユキミ先輩? 例の“目”の件ですけど
良さそうな娘見つけました」

「いや――いつもありがとう 毎度見事な手並みだね!
ナイス・アブダクション!!」


―――前々回の両性院UFO目撃は何かの伏線だろうとは思ってはいたが、こんな形で、こんなにも早くとは思わなんだ。木曜スペシャル】……一体どんな能力なんだ……益々訳がわからない。


「ごめん両性院くん!! 予定変更ッ!!」パックウ
「ひゃっ ひゃあああああっ」ドクッドクッドクッ


「っ・・・・・・お願いですからっ・・・一緒に隠れてください・・・・!」
「ダメだって 両性院くん 私たちはね・・・・
両性院くんを危険に晒す気は意地でもないんだよ」


 生徒会役員としてやる気は欠片も無くナンパに明け暮れ、尚且つ恋人に猟奇的に殺される事をこそ切望する学園屈指の変態・夢見崎アルバ……その魔人能力は恋した相手が魔人であれば、その発動対象を永続的に自分限定とする事。彼が生徒会に所属していた(また【ユガミズム】の性格矯正も受けずにいた)理由は、来たるべきハルマゲドンのため鏡子対策カウンタートラップとして確保されたのではないかとすら思えるね。
 かくして鏡子は右手と、手鏡の入り口を封じられた。この封を解くにはアルバを殺すしかなく、彼女の技を以てすれば容易くそれは叶う―――しかし、できない! 脳裏を過ぎる姿と言葉。はたして鏡子は両性院を逃がして自分が犠牲になる事を選択する。襲撃者最後の一人、エースに片手では敵わない。彼は両性院の存在を知らない筈だから、鏡子がこの場で殺されれば探されず助かる可能性が高い―――感情的な拒否を、彼女の説得に封じられかけた両性院。だが今の状況が明らかに鏡子だけ(+両性院)を想定してのものである事から、鏡子一人が犠牲になるメリットは無いと逆説得、二人逃走。汁まみれの彼女の左手を握り締める主人公がなんとも男らしい。お前の体液だが!


(あの人の あの時の(・・・・)行動はおかしい――・・・・!!
しまった・・! なんでその場で気づかなかった・・・・!!)


 さて、現状を鑑みるにヴァーミリオン海我のような観測能力を持つ魔人が生徒会に居るか、もしくは番長グループ内に裏切り者が居ることになる。鏡子と共に逃げながら、情報漏洩による番長グループ返り討ちを危惧した両性院は危機を知らせようとするが連絡手段が無い。携帯も「危険なんでな」と白金に壊されており―――その真意を考え気づく、その不自然に。そして鏡子へ確認しようとした矢先―――!

 此処で2巻を読み返してみると、電脳空間に巣食う魔人XXの存在が浮上する。携帯を使っている所に彼が「仕掛け」れば転校生の一人も始末できるかもしれないと。「危険」とはそれを指していたとすれば……この状況下でひとり、生徒会員以外で携帯電話を使っていた者が居るっ! まさか、彼が?

 推定内通者による生徒会室襲撃チームの危機。転校生ムーの手と思しきUFOによる鏡子アブダクション。それを目の当たりにした両性院もエースに捕まり……ハルマゲドンの天秤は生徒会側へ傾きだしたか? 鏡子の安否に両性院の命運、2巻ラストから寸止め続く邪賢王ちゃん達と生徒会の激突の模様……すべては次号一挙2話掲載にて! 明らかに、なるかな?

―――って、あれ? ムーがユキミに連絡する際に使っているのは携帯、ではない、のか?