《神性変異/Divine Transformation》／漫画『戦闘破壊学園ダンゲロス』第７話

　月刊ヤングマガジン掲載『戦闘破壊学園ダンゲロス』、第１巻収録分の直ぐ続き、第７話。

勝利の鍵。友釣香魚、両性院男女
「さすがは・・　邪賢王さん・・・・！」

　萌　え　で　あ　る　！　！

―――最後の一言で見事に持っていかれた感はありますが。これまでの話を統合したような、色々盛り沢山のエピソード。これまでになくグダグダと書き連ねてしまった。まず、

生徒会にリンドウと夜夢の訃報と死体届く。彼らは相討ちと認識している
生徒会長ド正義は二人と親交のあった友釣香魚へのケアを命ずる
なんとなれば、彼女こそが生徒会の『攻防の要』だからだ

　これは彼女の“男を殺す為だけの”魔人能力、「災玉」を生徒会長がハルマゲドンに投入するつもりだということ。そしてそれ故に、両性院男女は番長グループへ招聘された。
　性別転換能力「チンパイ」。男女自身“二回”しか使ったことの無いそれを、何故彼らが知り得たかといえば……第２話で魔人に覚醒した直後に大量殺人を行い、結果的に死亡した歩渡の弟、歩透が番長グループに属していたから。そして彼が見た兄の遺体が女性化していたからである。そこから只一人渡とぶつかって生き残った少年の能力が割れたのだ。
　また３年前に世相を騒がせた「少女A」として知られた香魚の能力が番長グループに把握されているのは、亡き夜夢が教えたのだろうか。彼女が能力を使わずとも良い環境を願って……残念ながら事態は彼の願いと逆方向へ向かい、しかし彼女の能力を無効化する者に白羽の矢は立った。

　何よりも自分の命よりも、幼馴染の天音沙希を助ける事を第一とする男女に番長グループが協力する条件。このままでは香魚の「災玉」により少なからぬ犠牲が出るだろう生徒会とのハルマゲドンに際し、彼の能力で男を女に変える事。さすれば生徒会を……勝利の暁には「学園総死刑化計画」を本気で実現し、“完全管理学園”を打ちたてようとする生徒会を打ち破った後、転校生を倒して天音沙希を助け出す。番長グループに加担した事で生徒会に狙われるだろう男女も守る。たとえ自分達の何人が死のうとも、必ず。この辺に彼女の不良も魔人も問わない人望が窺える。
　転校生から沙希を助けてから生徒会を倒す順番では駄目な理由。彼らも「少なくとも二人」と認識している強力な転校生と戦って戦力が減らした状態で生徒会とぶつかるより、「災玉」を無効化し最低限の消耗で生徒会を破った後に転校生と戦うほうが勝算がある……幸いにして、転校生は依頼を全うしない限り、つまり生徒会番長グループ双方を殲滅しない限り代価である沙希に手を出せない。よって依頼を果たさせない、いずれかの勢力が生き残れば彼女は無事ということになる。

　生徒会が勝って極刑極刑の新校則が実現するのもマズイが、番長グループがハルマゲドンの勝者になった場合はどうなるのか。また予定通りに生徒会に勝つことができるのか、勝てたとして「三人の」転校生に消耗した状態で勝てるのか。そもそも両者の潰し合いなど考えず、両方まとめて倒すに足る力を持っている転校生はハルマゲドンに介入する気満々であろう―――そこは読者視点の疑問だが、両性院男女の視点での問題は番長グループが信じられる相手かどうかということ。
　迷う彼を番長グループのトップ、邪賢王の怒号が貫き、はたして彼はその能力でグループの男を女にする事を決めた。まず他ならぬ邪賢王がそれを受け……その結果がアレである。どうしてこうなった。いやさ、よくぞやってくれた？　萌えである。「B」で「張りのある良い形」で「さすが」と申す男女。良い趣味であるな。能力覚醒の理由はなんとなく察したが、今の君は極めて紳士()的だ。

　次回は女性化の影響はどうか、を描くらしい。「女性化時にもげた息子が潰れたら男に戻れない」以外にも何かあるのやも。加えて、誰も彼も女性化されたりするのだろう。バルさんもヴァーミリオン先輩も副番の白金もその弟も、歩透も。ところで性転換後の容姿だが、表紙に頻出する邪賢王♀以外は原作で細かく設定されているのか、或いは横田卓馬のオリジナルが入るのか？
　そして友釣香魚は―――魔人化したばかりの頃、精神的支えとなってくれた二人の死を知った彼女は、一体どうなるのだろうね。彼女の地獄は終わったのか、終わるのか、終わらないのか……。