ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

『美大受験戦記 アリエネ』第53話――《対峙の壁/Wall of Opposition》

「これが美大受験だ……」
「ご・・・ 5浪・・・って・・・」
「 2 3 歳 だ 」クラッ・・・
「目が醒めたら さっさと描け」

(第52話の感想はこちら)

 第53話「YUME TUBE」(12月3日発売ビッグコミックスピリッツ掲載)。色ボケはそれくらいにしておけ、という事で。ここからが本当の地獄だ……。

(いかん・・・ 幸せが過ぎて・・・ うまくしゃべれん・・・)

 ここからが本当のスタート本当の勝負だというのに、恋愛成就に浮かれるのもいい加減にしろ、と。まあ彼氏の学科対策を真面目に考えてる彼女の方も、意図せずそれを助長してる気配があるが……あちらがモチベーション向上でプラス傾向な一方、こちらは彼女に見蕩れて妄想してモリエールのデッサンが夢似に……明らかに恋に堕ちて受験に落ちるパターン入ってるじゃないですか―――経験者の青木先生が正気に返らせてくれなかったらどうなってたことか。

 はたして参戦開始の浪人生。いやさ、参戦したのは夜間のみの現役生の方か。名前が挙がったのは2浪の喜多川(浮世絵の喜多川歌麿?)から3浪の平山(平山郁夫?)、4浪の石森(石ノ森章太郎?)、そして昼からまだ描いてた5浪の棟方(板画家・棟方志功?)。これらの猛者が集い争い、合格できるのは八人に一人ほど……学科のハンデを実技で圧倒的に勝って埋める、などという事を実現するには、生半可な努力じゃ足りない。
 歌川有にとっては勉強も実技もこれからが始動……東山光河がコンクール前に言っていた事はいちいちもっともで、実際問題として遅れを取り返すところから始める不利は否めない。勉強時間は浪人並に確保できるとしてもだ。そんな調子で大丈夫なのかと。